05 Sep, 2021
「紙 paper」についての論文 paper を、唐紙師の嘉戸浩さん(かみ添)と一緒に書きました。Proof of Stake: Claims to Technology. A Book of Organizational Objectsという本のチャプターです(来年春に出版)。同時に、この本に関連してKunstverein in Hamburgで展覧会が開催されています。
Read More…01 Feb, 2021
大学院の科目
『組織文化論』が終わりました。今年度は履修生はひとりもおらず、履修していない学生さんと社会人の方々だけで最後までやりました。昨年度も、学部生や社会人の方が多かったのですが、オンラインになることで、より学外の方が参加しやすくなりました... 私の科目の中でも最も学術的な授業なのですが、なぜか正式にターゲットとしている大学院生ではなく、社会人の方々に興味を持っていただいています。学問が重視されない現在社会において、社会人の方々が学術的な議論に真剣に興味を持っていただいていることは救いです。
Read More…14 Nov, 2018
ここ数ヶ月スランプ状態ですが、いくつか章を執筆した書籍が出ました。スランプは年内には状況を好転させたいと思います。
Yamauchi, Y. (2018). Service as Intersubjective Struggle, In Maglio, P. P., Kieliszewski, C. A., Spohrer, J. C., Lyons, K., Patricio, L. & Sawatani, Y. (Eds.). Handbook of service science, Volume II. New York: Springer.
https://www.amazon.co.jp/dp/3319985116
https://www.springer.com/us/book/9783319985114
鮨屋の研究から始まった「サービスとは闘いである」というテーゼを論じたものです。このような大きな研究プログラムを論じた論文はジャーナルには載せにくく、自分で本を書くか、このような本の章にするかがベストなアウトレットとなります。このハンドブックはサービス科学のコミュニティで中心的なものですので、ちょうどいい機会でした。しかしながら、私の章は一番最後に申訳なさそうに置かれてしまいました。内容が他の章で議論されているようなものと全く異なる、というか完全に反対の議論をしているので、ハンドブックに収まりきらなかったのだろうと想像しています。わかっていたこととは言えとても残念です。しかしその前にそもそも価格が高すぎて誰も買わないだろうと思います。
Holt, R., & Yamauchi, Y. (2018). Craft, Design and Nostalgia in Modern Japan–The Case of Sushi. In E. Bell, G. Mangia, S. Taylor, & M. L. Toraldo, The Organization of Craft Work Identities, Meanings and Materiality. Routledge, London.
https://www.amazon.co.jp/dp/1138636665
https://www.routledge.com/The-Organization-of-Craft-Work-Identities-Meanings-and-Materiality/Bell-Mangia-Taylor-Toraldo/p/book/9781138636668
これはRobin Holtと一緒にやっているクラフトのプロジェクトで、ひとまず鮨に焦点をあてて書いたものです。最近クラフトへの注目が集まっていて、その動きをさらに加速させようとする本です。まだ研究の成果が出ておらず、まず我々の考えていることをまとめる機会として書きました。こちらはなんと一番最初の章になっています。研究者コミュニティの中心にいるRobinの地位を反映しているのは疑いないのですが、独自の成果が出ていないため一般的なことしか書けなかったということの裏返しでもあります。ただし、少しマシとは言え誰も買わないような値段です。
自分の研究が他の人が考えていることを180度逆転させてしまう内容であり、そのままではほとんど理解されないことはよくわかっているのですが、それをわかりやすくかつ利用可能な形で書けない自分の限界を乗り越えることができません。なんとかがんばって書き続けたいと思います。