Destructured
Yutaka Yamauchi

サービス with コロナ

サービス学会緊急コラム『コロナと共にサービスを問い直す』



今回の新型コロナウイルス感染拡大によって、外食サービスが大きな打撃をうけ、変わろうとしていますが、外食サービスを研究するものとして何も貢献できないことに忸怩たる思いがありました。サービスに従事されている方々にお話しを聞き、自分たちの考えをまとめてサービス学会のマガジンにコラムを書きました。料理人であり、博士課程学生の橋本さんとの共著です。

何か貢献したいと思いつつ、自分に何ができるのかがわからず悶々としていました。コロナでどう変わるというようなことを学術的根拠もなく発言することに違和感がありました。一方で、メディアの取材を受けて、記者の方々も何をどう伝えたらいいのかわからず、とても困っておられました。そこで、もっと踏み込んで発信することも重要であると思うようになりました。先日のNHKニュースウォッチ9でもかなり自分の意見をぶつけました(自分の発言はかなりカットされましたが、全体にはある程度反映していただいたように思います)。

やはり自分は自分にしかできない学者としての仕事で貢献するべきだと思うようになりました。SNSで検索してネタを整理するようなことではなく、自分の研究に即して考えることです。そもそも学問は当たり前になっている前提を切り崩すのが仕事であって、現在のように多くの前提がゆらいでいる状態でこそ、仕事をしないといけないと思います。逆説的ですが、だからこそコロナによってサービスがどう変わるというような取ってつけたような議論よりも、サービスとは何かという問いに常に取り組んできたことが重要で、それをぶれずに考え抜くことが必要だと思います。

そうするためにも、今回考えをまとめるにあたって、様々な方にお話しをお聞きしました(本来はお名前を入れるべきところですが、サービス業界においてのお立場もあるので控えました)。お話しをする中で、多くの刺激を受け、本来自分がするべきことを教えられました。書いたことは、これらの方々の声です。研究室でひとりで考えていても、文献を読んでも、ネットで検索しても、思考の幅は限られています。やはりフィールドの方々と一緒に考えることが重要だとあらためて認識しました。

サービス学会ではサービスについて何かを発信しなければならないと力を結集しています。この他にも現場の経営者や研究者からなど、かなりの数のコラムが集まっていますので、是非ご覧ください。