Yutaka Yamauchi
Yutaka Yamauchi

2019/4/8 改版

サービス経営学

経済学部 (専門I) 2019年前期

木曜2限日10:30-12:00
総合研究2号館3階東 マルチメディア講義室

山内 裕
准教授
京都大学経営管理大学院
総合研究2号館 3階東側
075-753-3536
ObscureMyEmail

TA: svcmgt@yamauchi.net

このシラバスは多少変更される可能性があります。

授業の目的

社会一般にとって、特に事業にとって、サービスの重要性が増している。サービス業と呼ばれる事業だけではなく、価値が生み出される場として広義のサービスは、どのような事業の経営にとっても重要となってきている。サービス経営学についての基礎を学んだ上で、いくつかの各論について詳細に議論する。

反転授業

この授業は一部の講義に加えて、京都大学が発信するMOOC “Culture of Services: Paradox of Customer Relations”を利用した反転授業として行う。反転授業とは、まずMOOCでビデオ講義を受講し、課題などを済ませた上で、授業ではさらに深い議論を行う形式を言う。つまり各週にアサインされているMOOCの受講を済ませた上で、授業に参加すること。

MOOCを受講することの負荷を考慮し、5回分の授業はMOOC受講の時間とし、授業は行わない。(なお2単位の科目なので90時間の学習時間が設定されており、MOOCの受講は24-32時間程度が想定されている。グループ課題が多いことを考慮し、授業5回分をMOOCの受講とグループワークにあてる。)

テキスト

都度指示する。

参考書

山内 裕. (2015). 「闘争」としてのサービス—顧客インタラクションの研究. 中央経済社.

到達目標

サービスマネジメント、サービスマーケティング、サービスサイエンスの基本的な概念を理解し説明できる。

受講要件

授業と並行してMOOCを受講すること。以前受講したことがある場合は、改めて受講する必要はない。 MOOCは英語のため、ある程度の英語能力を要する(サブタイトルで内容を理解できる)。また授業では日本語でフォローするので、英語力に自信がなくても対応する。

下記edXサイトからユーザ登録し受講することができる。クーポンを入力することで、無料で受講できる。またE-mailアドレスは何を使用しても構わない(全学メールである必要はない)。https://www.edx.org/course/culture-of-services-paradox-of-customer-relations-0

評価基準

授業参加 50%

授業への積極的な参加を評価する。特に、グループ毎にテーマを決めて議論し発表する機会をもうける。 また4回以上の欠席は、不合格とする。

MOOC履修 50%

MOOCの点数を換算する。MOOCの点数を提出すること。

グループ課題

MOOCの内容を元に、自分たちが他の学生に授業をするようにまとめる。MOOCの内容をそのまま話すのではなく、考え方を説明した上で、自分たちの解釈や具体的な事例の分析などを交えて工夫して発表する。各グループで議論した上で、発表できるように準備すること(Powerpointなど)。各グループの発表資料は授業開始30分前までにアップロードすること。

授業用ウェブサイト

資料のダウンロード・アップロードはPandAを通して行う。 https://panda.ecs.kyoto-u.ac.jp/portal

授業資料

PandA上で配布する(印刷して配ることはない)。

オフィスアワー

以下のカレンダーに掲載する「Open」の時間帯をオフィスアワーとする。Openの時間を確認し、事前にメールでアポイントメントを取る。 https://yamauchi.net/officehour

計画

1週 導入

授業の目的や進めかたを説明した上で、MOOCの受講方法を説明する。

2週 MOOC受講日1

4月18日

3週 サービスの定義

サービスマーケティングのこれまでの流れにそって、サービスのいくつかの定義を議論していく。

参考文献:

村松潤一. (2015). 価値共創とマーケティング論. 同文舘出版. 第2章 「サービス・マーケティング」
Fisk, R. P., Grove, S. J., & John, J. (2005). サービス・マーケティング入門. (小川孔輔, 戸谷圭子). 法政大学出版局. 第1章、第2章
Spohrer, J. C., & Maglio, P. P. (2014). サービスシステムの科学. In サービスサイエンスハンドブック (pp. 145–182). 東京電機大学出版局.
Fine, G. A. (1996). Kitchens: The Culture of Restaurant Work (2nd ed.). University of California Press.
Hochschild, A. R. (2000). 管理される心―感情が商品になるとき. (石川准, 室伏亜希). 世界思想社.
Whyte, W. F. (1948). Human relations in the restaurant industry. New York: McGraw-Hill.

MOOC:

Week 1 Definition of service, Social issues

個人課題

各自でMOOC Week 1の”Definitions of service”をまとめて発表する。身近な具体例を挙げながら、定義を議論すること。

4週 MOOC受講日2

5月2日

5週 顧客満足度およびサービス品質

サービスにおいて重視される顧客満足度や顧客歓喜の概念サービス品質のギャップモデルの考え方についてレビューする。

参考文献:

Oliver, R. L., Rust, R. T., & Varki, S. (1997). Customer delight: Foundations, findings, and managerial insight. Journal of Retailing, 73(3), 311–336.
Rust, R. T., & Oliver, R. L. (2000). Should we delight the customer? Journal of the Academy of Marketing Science, 28(1), 86–94.
Dixon, M., Freeman, K., & Toman, N. (2010). Stop trying to delight your customers. Harvard Business Review, 88(7/8), 116–122.
Bitner, M. J., Zeithaml, V. A., & Gremler, D. D. (2014). サービス品質のギャップモデルに対するテクノロジーの影響. In サービスサイエンスハンドブック (pp. 184–204). 東京電機大学出版局.
村松潤一. (2015). 価値共創とマーケティング論. 同文舘出版. 第2章 「サービス・マーケティング」
Heskett, J. L., & Sasser, W. E., Jr. (2014). サービスプロフィットチェーン. In サービスサイエンスハンドブック (pp. 17–27). 東京電機大学出版局.

MOOC:

Week 3 Customer satisfaction, service quality, gap model, value co-creation

グループ課題

グループでMOOC Week 3の”Customer satisfaction,” “Service quality,” “Gap model,” “Value co-ceation“をまとめて発表する。

6週 MOOC受講日3

5月16日

7週 おもてなし・ホスピタリティ

サービスにおいて重要となるホスピタリティや日本における「おもてなし」概念についてレビューする。

参考文献:

山内裕. (2015). 「闘争」としてのサービス—顧客インタラクションの研究. 中央経済社. 第4章
Derrida, J., & Caputo, J. D. (2004). デリダとの対話. (高橋透, 黒田晴之, 衣笠正晃, 胡屋武志). 法政大学出版局.
Derrida, J. (1999). 歓待について. (廣瀬). 産業図書.
Schérer, R. (1996). 歓待のユートピア. (安川). 現代企画室.

MOOC:

Week 5 The concept of hospitality, the culture of hospitality, hospitality in economy, the end of hospitality

グループ課題

グループでMOOC Week 5の”The concept of hospitality,” “The culture of hospitality,” “Hospitality in economy,” “The end of hospitality”をまとめて発表する。

8週 MOOC受講日4

5月30日

9週 文化のせめぎあい

サービスにおいて中心となる文化に着目し、文化がサービスの価値と関連することを議論する。特に、サービスが禁欲主義につながることや、権力闘争を写し込むことを議論する。

参考文献:

Bourdieu, P. (1990). ディスタンクシオン. (石井洋二郎). 藤原書店.
石井洋二郎. (1993). 差異と欲望. 藤原書店.
山内裕. (2015). 「闘争」としてのサービス—顧客インタラクションの研究. 中央経済社. 第4章

MOOC:

Week 6 Asceticism, taste, pretention, manners, changing taste

グループ課題

グループでMOOC Week 6の”Asceticism,” “Taste,” “Pretention,” “Manners,” “Changing taste”をまとめて発表する。

10週 演習 (詳細は別途)

(6月20日は火曜日授業日のため授業なし)

11週 サービスの弁証法

サービスにおける弁証法を議論する。

参考文献:

山内裕. (2015). 「闘争」としてのサービス—顧客インタラクションの研究. 中央経済社. 第5章
Leidner, R. (1993). Fast Food, Fast Talk. Berkeley: University of California Press.
Ritzer, G. (2008). マクドナルド化した社会. (正岡寛司). 早稲田大学出版部.
Feldman, M., & Pentland, B. (2003). Reconceptualizing organizational routines as a source of flexibility and change, 48(1), 94–118.
Yamauchi, Y., & Hiramoto, T. (2016). Reflexivity of Routines: An Ethnomethodological Investigation of Initial Service Encounters at Sushi Bars in Tokyo. Organization Studies.

MOOC:

Week 6 Dialectic of service, Master-slave dialectic, Service as a struggle, Intersubjectivity, Popular services

グループ課題

グループでMOOC Week 6の”Dialectic of service,” “Master-slave dialectic,” “Service as a struggle,” “Intersubjectivity,” “Popular services”をまとめて発表する。

12週 MOOC受講日5

7月4日

13週 サービスデザイン

サービスデザインについて議論する。

参考文献:

Stickdorn, M., & Schneider, J. (2012). This is Service Design Thinking. (長谷川, 武山, 渡遺). BNN.
Polaine, A., Løvlie, L., & Reason, B. (2014). サービスデザイン. (長谷川敦士). 丸善出版.
山内裕, & 佐藤那央. (2016). サービスデザイン再考. マーケティングジャーナル, 35(3), 64–74.

MOOC:

Week 8 Service design, human-centered design

グループ課題

グループでMOOC Week 3の”Service design,” “Human-centered design”をまとめて発表する。

14週 文化のデザイン

サービスの理解を通して、新しいデザインの方法論として、人間脱中心設計。

参考文献:

Stickdorn, M., & Schneider, J. (2012). This is Service Design Thinking. (長谷川, 武山, 渡遺). BNN.
Polaine, A., Løvlie, L., & Reason, B. (2014). サービスデザイン. (長谷川敦士). 丸善出版.
山内裕, & 佐藤那央. (2016). サービスデザイン再考. マーケティングジャーナル, 35(3), 64–74.

MOOC:

Week 8 Human-de-cenred design, Design of culture

グループ課題

グループでMOOC Week 3の”Human-de-cenred design,” “Design of culture”をまとめて発表する。