Destructured
Yutaka Yamauchi

October 2020

人間中心を乗り越えて

11月20日からのアートシンキングのデザインセミナーでは、「文化のデザイン」を掲げています。文化のデザインは、マクドナルドやスターバックスなどの時代を画すようなデザインが、どのように生まれたのかという疑問に対する答えでもあります。私なりの答えは、文化をデザインしたからということです。... 使いやすいもの、ポジティブな体験、輝かしい未来などを作り出すことを目指す人間中心の考え方では、ひとつの文化を作り出すようなデザインは想定されていませんし、そもそも目指している方向性が違います... Read More…

歴史のあるデザイン

来月のデザインセミナー「アートシンキング」についてもう少し説明したいと思います。前回はアートシンキングがデザイン思考の限界を乗り越える可能性を持っている(がおそらく失敗する)ことを説明しました。デザイン思考のもう一つの限界は、創造性を革新的な「アイデア」に還元したことです。アイデアを客体として捉え、そしてそれを生み出す主体と分離しています。主体がパズルのようにアイデアを取り扱うイメージです。つまり主客二元論の前提に立っています。本来デザイン思考はこの主客二元論を乗り越えるために提案されてきたものですが、結局乗り越えることができなかったということです。アイデアに還元するということは、そのデザインには「歴史」がないということです。つまり... Read More…

なぜアートシンキングか

デザインセミナー「アートシンキング」を実施します。受講生募集中です。なぜアートなのか、どういう意味でアートなのかと疑問に思われている方が多いと思いますので、何回かに分けて補足したいと思います。...デザイン思考の限界が議論されていますが、その原因のひとつは「エステティック」を排除したことだと思います。エステティックは感覚的な美しさのようなものに関わる概念と捉えられていました。従来の意味でのデザイン、つまりプロダクトやグラフィックなどのデザインでは、この美しさは重要な要素であったと思います。一方で、デザイン思考は... Read More…